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なにもしたくない日、読書ならできる気がした。

―心と体が疲れたときに“本”がくれるもの―

朝から重たい湿気。天気予報を見ても晴れる気配はない。 やらなきゃいけないことは山ほどあるのに、なぜか一歩も動きたくない。

「なにもしたくない」――そんな日、ありませんか?

SNSを見る元気もないし、動画を見る集中力もない。 でもふと、本棚の隅に目をやると、ずっと読んでなかったあの本が目に入る。 「少しくらいなら読めるかも」――そんな気持ちが、何かを動かすきっかけになるかもしれません。

“なにもしない”と“読書”は、実は相性がいい

現代人は、常に「何かをしていないといけない」というプレッシャーにさらされています。
スマホを開けば通知、アプリ、ニュースの嵐。 やるべき仕事、家事、育児に追われ、「止まること」ができない日常。

でも、体も心も疲れ切ったとき、無理やり行動するのは逆効果。 そんなときに「なにもしない」時間を許すことは、自分をいたわることでもあります。

そして、“読書”はその「なにもしない」状態に、そっと寄り添ってくれる存在。 音も光も少ない、静かな世界。 物語の中に身を委ねる時間は、自分自身をリセットする時間でもあるのです。

“なにもしたくない日”のための読書ガイド

流浪の月 (創元文芸文庫)

流浪の月 (創元文芸文庫)

著者: 凪良 ゆう(著)

なにも説明せず、ただ人を受け入れてくれる人がいるとしたら。 誰にも言えない過去を抱えたふたりの、静かで、それでいて力強い物語です。

読み手に多くを語らせない、余白のある文体。 なにもしたくない日でも、ページをめくるごとに少しずつ心の中に光が差し込むような読書体験を味わえます。

きみはポラリス

きみはポラリス

著者: 三浦しをん (著)

「誰かに会いたいけど、誰とも話したくない」そんな気持ちにぴったり。 多様な“愛のかたち”を描いた短編集で、どこから読んでもOK。

疲れている日は、長編よりも短編集のほうが負担が少ないもの。 一話一話が、読後にやさしい余韻を残してくれます。

うつくしい人

うつくしい人

著者: 西加奈子 (著)

何気ない日常を描きながら、どこか胸を打つ言葉がつまっている一冊。 自己肯定感が低い人にほど刺さる、でも押しつけがましくない。

読むというより「感じる」作品で、エネルギーが枯渇しているときにおすすめです。 文体も軽やかで、読書にブランクがあってもスッと入ってこれます。

なにもできない時間こそ、“立ち止まる価値”がある

なにもしないと「怠けている」と思われる社会のなかで、 私たちはずっと、休むことすら自分に許してこなかったのかもしれません。

でも本当は、“休む”ってすごく大事。 止まることでしか見えない景色があるし、立ち止まってやっと気づける感情もある。

読書は、そんな「静の時間」にぴったりの相棒です。 どこにも行かなくていい、誰とも話さなくていい。 ただ、本のなかに身を預けるだけ。 それが、疲れた心をやさしくほどいてくれるのです。

最後に|読書を「頑張らないで楽しむ」ために

読書というと、どこか「学び」や「努力」と結びつけてしまいがち。 でも、今日紹介した本たちは、読んだ人を責めないし、変えようともしません。

「ただ読んでもらえたら、それだけでうれしい」 そんなやさしさが詰まった本たちです。

もし今日、少しでもしんどいと感じていたなら――
ぜひ、クーラーの効いた部屋で、麦茶を片手に、ページをめくってみてください。
きっと、心がゆるんでいく瞬間に出会えるはずです。

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